「魔法のお尻ふき」

小さな町の介護施設「ひだまりの家」では、毎日笑顔と優しさが響き合っていた。介護士の彩花（あやか）は、利用者の皆さんが快適に過ごせるよう心を尽くしていた。でも、ひとつだけ悩みがあった。それは、お尻ふきの問題だ。

施設で使っていたお尻ふきは、トイレに流せないタイプ。ゴミ箱に捨てるたびに、利用者の皆さんが「ちょっと恥ずかしいね」と照れ笑いをする。彩花は思った。「もっと気持ちよく、 dignity（尊厳）を守れる方法はないかな？」

ある日、施設に謎の段ボールが届いた。中には「魔法のお尻ふき」と書かれたパッケージ。説明書きにはこうあった。「トイレに流せる！肌に優しい！環境にも優しい！」彩花は半信半疑だったが、試してみることに。

翌日、施設のおじいちゃん、おばあちゃんたちに使ってもらった。すると、いつもは少し気まずそうだったトイレの時間が、なんだか楽しげに。「これ、流せるんだって！スッキリするねえ！」と、元気な声が響く。特に、いつもシャイな山田おじいちゃんが、「彩花ちゃん、これは革命だよ！」と目を輝かせた。

でも、驚くべきことに、このお尻ふきにはもう一つの魔法があった。使った後、利用者の皆さんがなんだか元気になったのだ。車いすの鈴木おばあちゃんが「今日は少し歩いてみるかな」と立ち上がったり、普段無口な田中さんが「若い頃の話、聞いてくれる？」と笑顔で話し始めた。

彩花は不思議に思って、箱の裏をよく見てみた。そこには小さな文字でこう書かれていた。「このお尻ふきは、優しさと笑顔で作られています。使うたびに、心もスッキリ！」なんだか怪しいけど、彩花は笑った。「まあ、いいか。みんながハッピーなら！」

それから「魔法のお尻ふき」は、ひだまりの家の必需品になった。ゴミ箱はいつも空っぽで、トイレはいつも清潔。利用者の皆さんの笑顔が増え、彩花も介護の喜びを改めて感じていた。

ある夜、彩花が施設を閉める時、倉庫の隅にまた新しい「魔法のお尻ふき」の箱を見つけた。誰が置いたのかわからないけど、箱には一言。「これからも、みんなの尊厳を守ってね。」

彩花はクスッと笑って、箱を抱えた。「よーし、明日もみんなをハッピーにしちゃおう！」